膝の痛みの原因と棚障害

棚障害

タナ障害は保存的(手術をしない)治療を優先・・・・

棚障害という言葉はあまり聞きなれない言葉ですが、
スポーツなどのジャンプの多い動作ではよくみられる症状です。

では棚障害とはいったいどのような症状なのでしょうか?

飛んだり跳ねたりしたとき、膝のお皿(膝蓋骨)の
内側に引っ張られるような感覚があり、
動かすことで膝に痛みを感じることがありませんか?

大腿骨と膝の内側の間にある滑膜ヒダ(タナ)の
張り出している部分が大腿骨と膝蓋骨の間(膝蓋

大腿関節)に挟み込まれて、膝を動かした時に、
お皿の内側に引っかかるような痛みが起こります。

このことをタナ障害と言って、膝に負担を慢性的に
かけることのより、タナが硬くなったり、厚くなったりする
ことで挟み込まれていき症状を引き起こします。

生まれてからタナは、退化していき無くなるものですが、
全ての人が胎生期にはタナがあり、正常な人でも
約半数以上の人がタナをもっています。

したがって、スポーツを全くしないという人でも
タナ障害の症状を引き起こすことは珍しくありません。

タナは4つの型に分類されています。

A型は、内壁が索状にやや盛り上がっています。
B型は、膜状で幅が狭く大腿骨内側顆を覆うまでに到っていません。
この2つの型でタナ障害を起こすことは、ほとんどありません。

他に
C型は、広く厚くなったタナが大腿骨内側顆前面を覆います。
D型は、穴が空いて遊離縁の一部が索状になっています。
このC型、D型の人は棚障害の症状を引き起こしやすくなります。

タナが弾力性を失い厚く硬くなって、
内側大腿骨内顆部をこすったり、

膝蓋大腿関節に嵌入(かんにゅう)したりすることで
タナに接する上下の軟骨などに二次性変形が見られます。

主な原因として大腿四頭筋のストレッチ不足にあるようです。

先天的に膝蓋腱が長い人や膝蓋骨の形の悪い人
も症状を引き起こしやすいようです。

痛みや引っかかるような感じを、
長期間放置したままでいると起立時や安静時でさえ、
重苦しさを感じ疼痛が持続します。

そこまでくると、
競技パフォーマンスにも支障をきたすことになります。

しかし、膝の内側が痛むからといって、
全てがタナ障害とはいえません。

他の膝蓋骨や軟骨などに痛みの原因がある場合もあります。

痛みなどを訴える症状とタナの関連性を
十分に取捨していくことが肝要です。

診断では、その点からも必ずMRI検査を受けましょう。 

しかし、万が一棚障害があったとしても
ほとんどの場合が、保存的療法で回復に向かいます。

タナ障害で、手術をすることは少ないようです。

まずは、大腿四頭筋の強化やストレッチをして、
疼痛を起こす運動を回避します。

また、温熱療法(熱感があるときは冷却療法)や
痛み止めの服用をし、まだ痛みが引かない時は、
関節内にステロイド注射を打ちみます。

それでもまだ改善されない場合やタナが物理的に
大きくて引っかかりが強く膝が伸びない時には、
他への影響を及ぼすこともあるので手術療法を選択します。

ただ、保存療法が最善の方法ですので、
安易に手術をすることの無いようにすることが
大切です。

次に棚障害の具体例を挙げてみます。

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完治後も、私が続けている膝痛解消法